策略の妙…

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信長は早速美濃攻略の論行功賞を行う為に織田家の主だった者を集めた! 「この度の、美濃攻略の第一の功労者は、藤沢匠とする!」 重臣たちは皆、藤沢匠の手柄を知っているが、中堅の武将たちは「藤沢匠」の名を知らない者もいる… ざわざわと場が騒ぎ出す! 「静まれっ!今から藤沢匠の手柄を言って聞かせる故に、それを聞いて文句がある者はわしに述べよ!」 静まり返る功労者発表の間… 「一に、この稲葉山城を無血にて奪いし功! 第二に美濃衆の調略! 第三に墨俣築城の影働き!」 「お待ち下され!」 「なんじゃ!猿!」 「第一は流石に見事と思いますれば…第二、第三は…」 「そちの手柄と言いたいのか?」 「…はっ!」 「確かにおぬしは良く働いた!」 「勿体無い御言葉!」 「だが、調略に於いて、美濃衆がなぜ直ぐに此方に傾いたと思うか?」 「…それは……」 「藤沢匠の配下の者が既に調略をしていたからよ!」 「…なっ!」 「そうであろう!?匠!」 「畏れながら…拙者は木下様が動きやすいよう、段取りをしたまで!調略の功は木下様の功でございましょう」 「おぬしはまたもや…功を譲るか…」
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