策略の妙…

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「あいや!待たれよ!藤沢殿と申されたか…おぬしはわしの手助けをと申されたか!?」 「はい!大した事はしておりませぬが…」 「もしや…あの商人…」 「思い当たる事があるらしいの?猿」 「藤徳屋なる商人が拙者に色々と情報を…」 「藤徳屋は匠の配下よ!」 「「「なっ!」」」 木下藤吉郎だけではなく、大半の者が驚く… 「猿!おぬしが、墨俣築城の折りに使うた工人どもはどう集めた?」 「それは…小牧山の藤工なる職人の集団を…まさか!?」 「あれも匠が作りし組織だ!」 「畏れ入りまして…ございます…」 「藤沢匠は、私財を擲ち織田の美濃攻略の為尽力せし事は最早明白である!よって!藤沢匠を織田家宿老職とし織田家の政を託す!領地は大垣城五万石を与える!」 「お待ち下され!」 「辞退は許さぬぞ!匠!」 「畏れながら、拙者はまだ若輩にて足軽の立場からいきなり宿老では、足りぬ物ばかり、家臣も無ければ兵もおりませぬ故に領地の経営もままなりませぬ!俄に人を集めたとて烏合の衆も同じ!何卒!慈悲を持って功労の沙汰を御願い致します!」 「…うむ…そなたの言も道理である…ならば望みを言え!」 「足軽の立場から二つ上の足軽大将に、領地は小牧山を賜りとうございます!」
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