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「明智とやら…しておぬしはこの話をわしが聞き入れたとして何の利を得る?」
「…それは……」
「聞けば、おぬしは朝倉に仕えているそうだな?」
「はっ!」
「おぬしの主君である朝倉氏にどんな利があるのだ?」
「……」
「明智とやら!その舎弟様を将軍にしておぬしはどんな得をするのだ?」
「……」
「問いに答えよ!」
「…某は…天下の為…」
「天下の為?」
「そうでござります!天下の為に!某は天下が定まれば!ただそれだけの思いで行動致した次第にござれば…」
「主家を欺いてか?」
「!」
「わしに悪事を薦めてか?」
「…」
「将軍の舎弟を裏切ってか?」
「……」
「明智とやら、これからの世を託せるような人物が将軍となる為に力添えをと言うならば、わしは力を貸しても良いと思ったが、おぬしの話にはそれがいっこうに出てこん!」
「…あっいや…」
「朝倉氏は協力の意は無いとおぬしが申す通りならば、その意に従うのが臣と言う物ではないのか?」
「…」
「すまぬが、当家は上洛には手は貸せぬ!将軍の舎弟様とわしは面識がない故、担ぐに値する人物か判らぬでな!また越前には居辛いのであれば、当家はいつでも歓迎しよう!おぬしも含めての!」
「!!!」
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