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「で、匠よ!将軍の舎弟様は我が国に来ると思うか?」
「方々、当たり行先が無ければ…」
「直ぐには来ぬと申すか…」
「今は欲に焦って居られるかと存じますれば…」
「武田辺りが応じはせぬかの?」
「将軍家の取り巻きがそれを許さぬかと…」
「うむ…」
「応じる国は現在無いと読みまするが…」
「毛利は動かぬか?」
「噂によりますれば、毛利元就公の言にて、天下に野心を抱くなと遺言したとか…」
「うむ…」
「いずれ!自ずと天下が振り向きましょう!今はまだその時では…」
「解っておる!おぬしの申す通り、段取り八分であろう!」
「今は、その為の下準備でござれば…」
「うむ!で?飛騨の方はどうなっておる?」
「万事上手くいっておりますれば!」
「そうか!」
「これからは富国と同時に強兵に…」
「で!あるな!」
「はっ!」
「して…そろそろ正式におぬしを執政としたいのだがの?」
「今はまだ…それより信忠様の件でござれば…」
「うむ…お濃に子が出来るとは…わしも思わなんだ…」
そう!美濃を攻略し直ぐに信長の正室、帰蝶の方は懐妊し女子を出産した!
翌年、またもや懐妊し帰蝶は男子を出産したのであったのだ!
それまでは側室の長子である信忠が嫡子として育てられたが…
正室が男子を産んだとなると…話は変わってくる…
現在…信長の一番の大きな悩みである。
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