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徳兵衛は匠にすがりつくように近付き真剣な表情で匠に問う。
「こっこれをこの集落で育てられましょうか?」
「田畑に適さない所でも育つから大丈夫だ!」
「この芋はどのようにすれば…」
「種芋を植えて適度に水をやれば良いだけだ!」
「さっ左様で…」
「種芋が親となり数ヶ月で子芋をたくさん作るからその子芋の中から次の種芋を選びまた植えれば次の作付が出来よう」
「…食料としていただいた芋を植えても…良いのでしょうか?」
「芋も米も徳兵衛殿に贈った物故、お好きになさるが良かろう?」
「あっ有り難い事です!」
「だがの?一つ問題があっての?」
「なっなんでございますか?」
「この芋類は旨い!故に獣等もこの芋が旨いと感じよう!」
「?」
「故にこの種芋を植えるとそれを狙い獣が集まるんだ!」
「獣がにございますか?」
「うむ!特に猪が芋畑を荒らしに来るであろう…」
「そうで…ございますか…」
「故に前持って段取りが必要だ!」
「段取りでございますか?」
「芋畑の回りに獣を捕らえる罠を仕掛ける!」
「罠を…でございますか?」
「さすれば、獣に畑を荒らされる事なく、そして獣も捕らえられる!」
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