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訓練は二手に別れての紅白戦である!
兵たちは皆真剣に戦っている…
左右には簡易な櫓が組まれていてそこから指揮をしているようだ!
匠な用兵を目の当たりにして…信長は思わず唸る…
良く見れば…先頭で棍棒を振るう匠の姿が見えた!
「あれは…匠ではないか…」
「はい、今日は殿の代わりに信忠様が指揮をなさっておられますようで…」
「何っ!?信忠がかっ!?」
「はい、殿は時折、体を動かしたいと、信忠様に指揮を任せてあの様に先陣を切りますれば」
「うむ…」
「おっ!勝負がつきましたようで!」
見ると…匠が棍棒で突かれて赤い判子のような印が胸についていた。
太鼓の音が鳴り響く!
皆匠の周りに集まり地に尻をつけ座る。
左右の櫓からは、信長の長子信忠と山内一豊が匠の前に方膝をついて畏まる。
信長は匠の元に歩いていく。
「一豊はわしを先頭に出し過ぎだ!」
「つい…使い勝手が良い物で…」
「後詰めが前に出過ぎ故にわしは引けなんだわ!」
「信忠様は機を見るに敏!良く戦況を見ていた!」
「はっ!」
「一豊はもう少し引く戦を工夫せよ!」
「はっ!」
「匠よ!面白い物を見せて貰ったわ!」
「これは信長様!」
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