招かざる客か…歓迎するべき客か…

13/15

1183人が本棚に入れています
本棚に追加
/321ページ
訓練は二手に別れての紅白戦である! 兵たちは皆真剣に戦っている… 左右には簡易な櫓が組まれていてそこから指揮をしているようだ! 匠な用兵を目の当たりにして…信長は思わず唸る… 良く見れば…先頭で棍棒を振るう匠の姿が見えた! 「あれは…匠ではないか…」 「はい、今日は殿の代わりに信忠様が指揮をなさっておられますようで…」 「何っ!?信忠がかっ!?」 「はい、殿は時折、体を動かしたいと、信忠様に指揮を任せてあの様に先陣を切りますれば」 「うむ…」 「おっ!勝負がつきましたようで!」 見ると…匠が棍棒で突かれて赤い判子のような印が胸についていた。 太鼓の音が鳴り響く! 皆匠の周りに集まり地に尻をつけ座る。 左右の櫓からは、信長の長子信忠と山内一豊が匠の前に方膝をついて畏まる。 信長は匠の元に歩いていく。 「一豊はわしを先頭に出し過ぎだ!」 「つい…使い勝手が良い物で…」 「後詰めが前に出過ぎ故にわしは引けなんだわ!」 「信忠様は機を見るに敏!良く戦況を見ていた!」 「はっ!」 「一豊はもう少し引く戦を工夫せよ!」 「はっ!」 「匠よ!面白い物を見せて貰ったわ!」 「これは信長様!」
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1183人が本棚に入れています
本棚に追加