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「止めは致しませぬが…」
「が?なんじゃ?」
「上洛をした後の始末の事にございます…」
「うむ…」
「四方八方敵に回すか…上洛だけを助け名誉だけを得るか…どちらが宜しいかと…」
「…どちらも損に思えるが…」
「拙者ならば、名誉を選びますが…現状、四方八方敵に回すのはまだきつかろうと存じます…」
「まだ…その時ではないと申すか…」
「はい…」
「で…あるか…」
「上洛戦において、二三国を得れば…織田の天下が見えて参りましょう」
「なるほど…事を急いては仕損じる…と言うやつか…」
「はい」
「もう目星は付けてあるのか?」
「六角の家臣、摂津の国衆には既に…」
「流石よ!匠!」
「段取り八分でございますれば…」
「早速…浅井に出陣の要請をせねばな…」
「あいや!それは将軍家の家来衆にやってもらいましょう!」
「あくまで将軍の舎弟からの事にせよと申すか?」
「後々を考えますると、その方が宜しいかと…」
「では、切り出すのも…」
「勿論にございます!ただ南近江と摂津は駄賃代わりにと…」
「なるほどのぉー!」
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