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め……るの……
めざ……ので……
……
……
……目覚めるのです。
何処からか声が聞こえてくる。
眩しい光に包まれ、私はゆっくりと瞼を開いた。
「お待たせしました、狼歩さん。私は……」
目を疑った。
ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光る神が視界に入る。
「まさか、神龍!?」
「違います。狼歩さんは数々の神聖な祭りに貢献されました。その功績を称えに来たのです」
「どんな願いでも叶えてくれるのですか?」
「可能な限り」
……
……
「やっぱり神龍!」
「違います。神タコです」
神タコ? どうやら、変な神を召喚してしまったらしい。
そんな神タコが乗っている、小さな雲が気になった。筋斗雲なのだろうか?
タコを鷲掴みして雲から剥がし、本体は窓の外にぶん投げる。
残された筋斗雲に、目を開けたまま爆睡している首里を乗せてみた。プカプカと浮いている姿が可愛い。
「面白い夢だな」
まだ日の出の時間だ。もう一度ベッドに潜り込み、至福の二度寝を味わう事にした。
【完】
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