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「ピアニカのパイプ(ホースタイプ)だけなんていらないですよ。でも、願いは叶えて欲しいですね。えっと、お金を……いや、鐘を渡されたら邪魔になっちゃいます。そうだ、何か特殊な能力を下さい。少年漫画に出てくるような、カッコいい能力が欲しいです」
せっかく神が来たんだ。夢のあるお願いをしても良いだろう。
「分かりました。次の三つからお選びください。①他人のしゃっくりを止める能力 ②自由自在に変顔が作れる能力 ③タコ墨とイカ墨を判別できる能力」
……
……
「どれもいらないよ!」
「アハハハハ……えっ?」
タコは不思議そうな表情を浮かべている。
「分かりました。もう何もいらないから、お帰り下さい」
神はショボンとした。
「先日、ドラゴ〇ボールの玩具を拾いました。四星球です。周りに誰もいない事を確認して、私は歌いました。つかもうぜ! ド〇ゴンボール! 世界でいっとー……ノリノリです。不意に気配を感じて振り返ると、青ざめたOLがいました。違うんです。私は変質者じゃありません。このドラゴン〇ールが悪いんです」
……
……
「なんの話ですか!? 自爆じゃないですか! ドラゴンボ〇ルは悪くないですよ! もういいですから、凄い能力を持ってるなら自分に使って下さい!」
「自分には使えないのです。皆さんを幸せにする能力なので……」
「そうなのですか? 申し訳ない。その気持ちだけで十分ですよ」
これ以上、関わり合うのは危険だ。優しい雰囲気を作って、お帰り願おう。
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