高級ホテル

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高級ホテル

 出張で手配されたホテルが、ありきたりなビジネスホテルではなく、かなりグレードの高そうなリゾートホテルだった。  他のホテルと間違えているのではないか。あるいは、場所はここだがその分の料金を徴収されるのではないか。そう思い、宿に着くなり社へ確認の電話を入れたが、ここで間違いないし、料金は宿泊料金は完全に会社持ちだという。  それを聞いて、仕事だとしてもいい宿に留まれてラッキーだと思った。  通された部屋に荷物を置き、窓外の眺めを満喫する。そんな自分が映る窓ガラスに人影が映り込んだ。  最上階とまではいかないけれど、ここ、結構上の方の階だよな。というか、外じゃなく、どう見ても人影は俺の後ろに映ってるんだが…。  ああ。会社負担でこれだけのホテルに泊まれるってそういうことか。  ホテルの方が格安で宿泊OKにしてるのかな。それとも会社の方が、何か理由があって出張社員を泊めるようにしてるのかな。  これ、宿変えたら社からお叱り受けるのかな。受けそうだな。でも俺、オカルトとかそっち系、てんでダメなんだよな。今だって落ち着いてる訳じゃなく、声も出せないってだけの状況だし。  キャンセルさえしなきゃ、よそにいてもバレないと信じて、自腹負担になるのは覚悟で、動けるようになったら他の宿を探そう。 高級ホテル…完
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