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あぁ、本当に、類だ。類、生きていてくれた。
私の半身、類。愛しい、愛しい私の片割れ……
「ミュー……ミューッ!!」
類の表情が崩れたかと思うと駆け出し、美羽に抱きついた。
「ミュー……父、さん……父さん、がっっ……ッグ」
「類……」
肩を震わせながら美羽にしがみつくかのように抱き締めてくる類を、思わず抱き締め返した。
美羽の知らない10年の間、父と息子にはきっとかけがえのない時間が流れていて、それが突然奪われたのだと思うと悲しみがドッと押し寄せてきた。それと同時に父との幼い頃の記憶も走馬灯のように駆け巡り、気づけば美羽も肩を震わせ、嗚咽を漏らしていた。
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