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「ッグ……」
手を口で覆い、嗚咽を漏らした美羽の上に類が崩れ落ちてきて、背中から抱き締められる。美羽の胸が細かく震える。類の悲しみがどっと流れ込んできて耐えきれず、肩を大きく揺らした。
「類……類っっ……ウゥッ……ごめん、ごめん、ね……ウグッ」
何も知らずに離れて暮らした10年間が、重い枷となって美羽に伸し掛かる。類がどれだけ辛く苦しい思いをしたかと思うと、後悔が波のように折り重なって押し寄せる。
ーーどうして私は類を愛してしまったんだろう。
あの日の過ちが、こんな重い罰になっていただなんて……
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