救いの声

19/32
前へ
/1872ページ
次へ
『じゃ、また後でな』 「うん。  あ、あの……隼斗兄さん」  おそるおそる呼びかけた美羽の声に、隼斗が答える。 『ん? なんだ?』 「あり、がとう……」 『あぁ』  短く答えてから電話が切れた。そっけない返事なのに、なぜか隼斗の言葉には温かみを感じる。  その余韻を感じつつ、いつまでもこの場所にいたい……そう思った。  だが、これから出発する準備をしなければならないし、何より義昭を説得しなければならない。  どうか、お願い。  うまくいきますように……
/1872ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7125人が本棚に入れています
本棚に追加