不測の事態

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 結局、琴子が大作からの婚姻費用をもらうまでの間、義昭が毎週1万円を生活費として晃の銀行口座に振り込むことなった。毎週振り込むのは面倒だが、纏めて振り込んだらすぐに使い込みされ、再度請求される恐れがあるから仕方ない。  もちろん、お金を使い切っても正当な理由がない限り、余分なお金は一切払わないことは伝えているし、合意書を作成してサインもさせた。法的にどこまで効力があるかどうか分からないが、口約束だけよりは遥かにましだろう。  また、弁護士や税理士を雇う金がない琴子の婚姻費用や離婚の慰謝料請求に関わる経費も、こちらで負担することになった。  その代わり、晃たちの新居購入の頭金を一切貸さないことを条件としてつけた。もちろん圭子たちは納得していないし、散々『ケチ』だの『血も涙もない』だのと罵られ、いびられた。  琴子にも『あげるわけじゃないんだし、いいじゃない。貸してあげたら?』なんて言われたが、美羽はそれをやんわりと(かわ)したのだった。ここで更に義母との関係に亀裂が入ったと感じたが、もう美羽にはそれを修復しようという気力はなかった。  義昭が母の機嫌を直そうと、晃たちが新居購入後には彼女の生活費をこれまでより5千円多く支払うことを提案し、これで一応の話し合いがついた形となった。  だが、今後問題が次々に持ち上がってくるのは間違いないだろう……そう思うと頭が痛い。
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