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けれど、感じたのは痛みではなく……
「大丈夫?」
……西内くんの体温だった。目を開けると、私は彼の腕にしっかりと抱きとめられていた。
「あ、ありがとう」
西内くんに支えられながら身体を起こす。
こけそうになったとはいえ、抱き合うような形になっちゃって……恥ずかしすぎて耳まで熱くなってしまう。
こんな顔、西内くんに見せられないよ。
「……もっと俺が気をつけていればよかった。ごめんな」
「えっ? 西内くんはなにも悪くないよ!」
謝られたことにびっくりして、思わず顔を上げた。そして、私と同じように耳まで真っ赤にしている西内くんと目が合う。
「抱きとめたくらいで照れるとか……カッコ悪いかな」
恥ずかしいのか、西内くんは手で顔を隠した。
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