3.魔法使いとのお付き合い。

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「えっと、一緒に空を飛んだのは私が初めてだったの?」 「ああ。付き合ったのも桜井が初めてだよ」  遠回しに聞いてみたら、気になっていたことまで答えてくれた。 「そうなんだ、私もだよ!」  人気者の西内くんに彼女がいなかったなんて驚きだけど、うれしいな。  初めての彼女に選んでもらったんだから、この恋を大切にして、西内くんをたくさん喜ばせてあげたい。  少しずつ赤みが引いていく彼の顔を見つめながら、そんなことを考えていた。   ――次の日。  西内くんに会えるのが楽しみで、うきうきして学校へと向かった。  昨日は、あのあと公園で十分くらい会話をして帰った。これからも一緒に帰るという約束ができて、すごくうれしかったな。
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