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前述した妹の友達、栗原千華ちゃんだ。
何を誤解しているのか、4年前から毎年チョコをくれ始め、俺に【好き好き光線】を浴びせてくる。
いや、千華ちゃん自体は嫌いではない。
京子の友達なのに、可愛くて礼儀正しくて、本当に良いコだ。
俺にしても、あれだけ可愛いコに、あれだけ真っ直ぐ好意を向けられれば悪い気はしない。
が…京子の友達だけに、妹のようにしか思えない上、何より当時の俺は、女の子と付き合うつもりなどなく…ホワイトデーのお返しだけは已む無くしていたものの、千華ちゃんの気持ちに応えるつもりは無かった。
更に言うなら、今年の俺には彼女がいる。
去年のクリスマスの事だ。
ビリヤードのプロとして悪戦苦闘中の俺は、同じバイト先の千尋さんの【俺を支える】と言う決意にとうとう自身の気持ちもさらけ出し…将来を誓った。
勿論、その事自体に後悔は無いし、今でも千尋さんとは良好な関係が築けている…が…築けているだけに、千華ちゃんからのチョコは受け取り辛い。
…千華ちゃんも、なんで俺なんかが良いのか…もっと良い男がいるだろうに。
お袋や千尋さんじゃあるまいし、ビリヤードのプロなんて、好意の対象に選ぶべきじゃないんだが…
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