嫌いな日

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『典孝君。バレンタインデーの日って、シフト昼間だよね?一緒に晩ご飯食べよ。』 『あ、うん。勿論OKだよ。』  付き合い出して1ヶ月半…休日に試合があったり、シフトが合わなかったりで、未だに千尋さんとは結ばれていない。  千尋さんは俺より1つ歳上だし…そろそろ俺も、大人の男としてデビューしても良い筈だ。  そう考えれば、今年のバレンタインは良い機会だ。と、約束前から多少の期待をしていた。  上手く行けば、バレンタインが好きになれるかも…なんて、甘い期待をしていたのだが…そうは問屋が卸してくれなかった。  バレンタイン当日…いつものようにバイト先で働いていると、もう終わる直前になって数人の見知った女の子が店に入ってきた。 『いた!平野っち!ヤッホー!』 『ゲッ!美妃!』 『ゲッって何よ!?酷くね!?』  高校時代の知り合いの杉山美妃と、その一党だった。  今時のコっぽく、制服をミニスカートに詰めて、チャラチャラした格好をしていた同級生だ。  高校時代は校則もあって髪も黒かったが、どうやら卒業と同時に髪も染めたらしく、まっ金々の頭をしている。 『平野っち、全然連絡くんないじゃん!ずっと待ってんのに!』
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