嫌いな日

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 頬を膨らませ、そう言いながらカウンターに詰めよってくる。 『…何しに来たんだよ?』 『何しにって、バレンタインだからチョコ持って来たんじゃん!はい♪ダーリン♪』  言って、小さな紙袋を差し出してくる。 『…毎年、毎年…いらねぇって言ってんだろ。』  美妃は高校時代から、毎年こうやって俺にチョコを押し付けにくる。  学生時代は、多少悪目立ちしていたせいもあり、美妃の他にも何人かこういう輩がいたのだ。 『何だよ!?もうプロにはなれたんだろ!?なら、いい加減付き合ってくれても良いじゃんよ!?』  美妃が言うように、学生時代からこういう輩には『誰とも付き合うつもりは無い。』と…ほとんど受け取りも断って来たのだ。  美妃は今は、確か街中の商店街にあるブティックに勤め始めた筈だが…まさか卒業してまで押し掛けてくるとは思っていなかった。  カウンターには千尋さんもいて、視線が痛いんだが… 『知ってんだぞ!平野っち、去年美春からのチョコは受け取ったろ!なら、アタシのも受け取れよ!』 『あれは!?』  何故バレている!?  美春とは、コイツらとは違うグループの、ちょっと痛い…と言うか、ヤバい女子だ。
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