第1章 目が覚めたら

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主治医は銀縁のメガネを掛けた好青年だ。見た目で人の都市を水卒することは好ましくはないけど、高くて30台全半だろう―…… で、その主治医は綾夏の暴走を見て『まったく病室で騒がしい……』と文句をいいたげに眼鏡の縁をクイッして、そのままカルテに視線を向けて項目の確認でもしているのかな。 「さて、神原さん。貴方、ここ数日体調が芳しくなかったことはありませんでしたか?」  カルテから視線をおれに向ける。 「あぁそういえば最近――……。」 ――はじめは、小さな体調の変化だったこと。 不規則に腹痛があらわれて、その腹痛が発言している間は椅子から立ち上がる。こんな単純な動作だけでも腹の中から針で突き刺されているような痛みがあり日常死活に影響が出ていたこと。 そして、病院に担ぎ込まれる原因になった血便がいよいよ出てしまったこと――そのことを伝えた時はやはり綾夏の顔つきが鋭くなった。いやすまなかったって……。
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