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数分後、奇声がトイレから響き、野次馬が集まる騒ぎになった。 …奇声を上げたのは、紛れもない俺なんだけど… こんな状況、体験をすれば誰しも気勢を上げてしまうだろう。
ふと見下ろした便器が真っ赤に染まっていれば。
「――優っ!」
・・・声が聞こえた。聞き慣れた声だ。
「ちょ、しっかりしなさいって!――・・・!!」
ガヤガヤと野次馬が集まってくる雑多な声が遠くから聞こえてくる。あいにく、視覚はまともに機能していないので聴覚のみの情報となるが。
「なんだ、奇声がしたぞ?」
「松原先生!!」
奇声を聞いて集まってきたのは生徒だけではなかったようで、ホームルームのために各教室へ向かっていた教員が数人が集まり、騒ぎの理由を確認するやいなや、野次馬ごとき集まった生徒を自教室に戻るよう促し、教頭や校長、養護担当の教員に素早く連絡を取ると同時に救急車の手配までが数分で完了した。
「神原、大丈夫か?痛みは?違和感は?」
・・・養護教諭が幾度と無く声をかけていたらしい。というのもこの時点で貧血なのか定かではないがトイレで倒れていたらしい…。半ケツで。
駆けつけた養護教員が状況を確認すると、あれよあれよと応急措置がとられ、やがてサイレンが聞こえてきて、救急隊員がストレッチャーを持ってきた。それに載せられた俺は、そのまま救急差で搬送されていった…らしい。
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