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「ネエ先輩!」
「何だ?」
「道、間違えてない?」
「僕もそう思います」
「あの二股か?」
「多分ね」「そうだと思います」
俺はサークルの後輩、友紀と公信と共にスキー場に向かっている筈だったのだが、先程の二股で間違った方に進んでしまったようだ。
「GPSが付いていたら間違わなかったのに」
「そう言うなよ。
バイト先の社長に頼みこんで、配送車を只で貸して貰えたんだから」
「ハァーー、それ言われると仕方ないかぁーー」
二股の所ではこっちの道の方が広かったからこっちが本道だと思ったのだが、進めば進ほど悪路になって行く。
「この道行き止まりじゃないよね?」
「分からん」
「あ!?先輩! あそこに家がありますよ」
公信が前方を指さす。
家の前に車を止め中を窺う。
「何かスゲー襤褸屋だけど人住んでいるのか?」
「其処に車が止まっているから廃屋では無いんじゃないの」
友紀が家の脇の空き地を顎で示した。
車の上のキャリアにスキーを載せた乗用車が1台、空き地に止まっている。
「車があるっていう事は人もいる筈だから、本道に戻れる道を教えてもらいましょう」
「そうだな」
俺は車を乗用車の脇に止めた。
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