第1章

4/5
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
炬燵がある部屋に戻り2人に声を掛ける。 「廃屋みたいだけど何で電気が来ているんだ?」 「おかしいですよね、それに乗用車の持ち主がいません」 「2人共炬燵に入りなよ、暖かいよ」 「そうだな、日が暮れて来たから詮索は後にして此処で1泊させてもらおう」 「分かりました。 じゃあ車に積んである毛布と食い物取ってきますか?」 「そうだな。 オイ! 友紀、お前も手伝え」 「ヤダ! 炬燵から出たくない」 「仕方ねえな、公信行くぞ」 「はい」 車から毛布や食い物を抱えて戻ってくると友紀がいない。 「あれ、何処行ったんだ?」 「トイレじゃないですか?」 炬燵の脇に毛布を放り出し炬燵に足を入れた公信が、返事を返してくる。 「そうかもな、俺も小便して来るわ」 廊下の突き当たりにあるトイレの戸を叩き、中に声を掛ける。 「友紀いるか?」 返事が無いので戸を少しだけ開け中を覗く、が、友紀の姿は無い。 小便を済ませ、部屋と廊下を隔てる襖を開けながら公信に声を掛ける。 「友紀、トイレにいなかったぞ」 あれ? 返事が返って来ない。 部屋の中に公信の姿は無かった、2人共何処に行ったんだ? 取り敢えず炬燵に足を入れる。 フゥーーーー暖かい。 炬燵の上に放り出してある煎餅に手を伸ばそうとしたとき、俺は突然炬燵の中に引きずっ込まれた。 そして俺は2人が何処に行ったのか知る。 「ギャァァァァーーーー!!! 助けてくれーーーー!! 炬燵に喰われるーーーー!」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!