第二章:人生を狂わすほどの快感を

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 くぷん、とぷん、と液が穴に飲み込まれる音と空気が抜ける音がする。侵入してくる指を拒みたいのに、締め付けるタイミングでその指は逃れ、また飲み込まれる。流れるように、指が一本、二本と抜き挿しを繰り返し、そのたびに声を漏らしてしまう。  今まで感じたことのない感覚に、ただ、体はびくびくと反応するだけだ。 「坊っちゃん、力抜いてるといいことあるぜ」 「っ……ふぁっ!!」  つるんと入った二本の指が奥の何かに触れ、体に電流が走るような衝撃があった。それは先程吐き出した中心に届きそうな、快感の大きな波。 「ほおら、ここだろ」 「あっ、あっ……っ! んっ…あっ…」  ぐっちょぐっちょと部屋中に響く水音と器用に動く指が、中をかきまぜていく。細くしなやかに動く指が、まるで内部を知り尽くしているかのように動き、触れてほしいとこに触れない。 「いやっ……やだ、それっ…!」 「焦らされんのが、やなんだろ? ほらケツ振れよ。いいところに指を当てろよ」  理性ではわかる。もっと触ってほしくて体を動かすなんて、屈辱的な行為、誰がするものか。ただ、もう体が言うことを聞かないのだ。あんなに冷たかった粘液は、熱をまとっていて、男の指が触れた局部は焼けそうなほど熱い。  拒絶しているのは頭の中だけで、体を震わせ、もうその指の先を追っている。  そこじゃない、もうすこし、ちがう、もっとこっち、ふれて、はやく――
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