原案(あらすじ)

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原案(あらすじ)

目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった 僕は顔面に衝撃を受け、鼻が折れたかと思うほどの痛みに飛び起きた 「バッタふんじゃったー」 凛の声が響いた バッタを追いかけて僕の顔の上で転んだようだ 公園に来て、凛が1人遊びを始めたので階段で本を読んでいたんだ はっとして辺りを見渡すと破れて泥まみれになった本が転がっていた 古本屋で見つけた貴重な本が! 「お父さんにバッタ見せたかったのー」 と泣く凛を見、諦めて 「また今度見せてね」 と力なく笑った 凛は僕の一人娘 好奇心旺盛だ 僕が論文や本を読んでいるところに来ては色々聞いてくる 「お父さんなにやってるの?」「研究だよ」 「研究ってなあに?」「世界でまだ眠っている謎を解明するんだよ」 「なぞなぞ?かいめー?」「なぞなぞ…うーん。ちょっと違」 「凛ちゃんもなぞなぞしたい」「いや…」 小さい凛と真剣に向き合う僕は、周りからすると変だという どこが変なのか自分では分からないのだが 彼女の母親であり僕の妻・ナツは入院中 体が弱かったナツは、凛の出産後から体調を崩すことが多く、 凛が3歳になる頃、入院した すぐに退院すると思ったのに長引いている 主治医が言っている病気と違うのでは? そう思ったきっかけは凛だった 「本当にお母さんの病気はそれなの?」「そうだよ。先生がそう言ってる」 「ぜったい?いのちかける?」「…命はかけない」 「なんでー」「絶対じゃないから」 「なんでー!」 凛には適当な事言えないなと、暇つぶしに症状に当てはまる病気を調べると 気になる点が出てきた― 僕にべったりの凛は、無邪気に でも僕の思い込みに気づかされるようなことを言う ナツの病気をつきとめ 治療方法も調べた 僕の研究にひらめきを与えることも 凛は最高の助手だ 「凛ちゃんがお母さんを助けるの。お父さん手伝ってね」 助手は僕か ナツは無事、退院できるのか 「僕」の研究の行方は 父と娘、2人を取り巻く物語
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