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【あらすじ】
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
「大丈夫?」という声で目を覚ました由紀子は目の前に突然現れた警察官・香山の姿に「全然大丈夫です!」と焦りながら誤魔化す。
両親が旅行中の間、アパートを任された由紀子は自分の言葉とは裏腹に心臓の鼓動が鳴りやまなかった。それは香山に対する恋心、というだけでなく幽霊を見てしまったからだ。
白髪頭に眼鏡をかけた初老の幽霊、その姿を見た途端、由紀子は気を失ってしまったのだった。
きっと見間違いだと自分を納得させる由紀子だったが、「すみません」と声をかけてきたのは先ほどの幽霊。やはり見間違いではなかったのだ。
「わたくし、幽霊だもんで勝手に住まわせてもらっております」
「塩崎」と名乗るその幽霊は地縛霊寄りの浮遊霊としてアパートで生活しているという。
「ウチって事故物件ってこと?」と戸惑う由紀子だが、他の住人に塩崎の姿は見えていない様子。
アパートに住み着いた幽霊「塩崎」は、由紀子に刑事たちが張り込んでいる部屋を変えて欲しいと頼む。そこは自分が住んでいた部屋で、後から刑事たちが入ってきたのだと。
そんなことは無理だと言い返す由紀子に、仕方なく刑事のいる部屋で同居する形になった塩崎。
刑事たちに塩崎の存在は分からないようだったが、もともと霊感があるという白石は何かを感じていた。
ほどなくして刑事たちが追っている事件に新たな事実が発覚する。別件で彼らが追っていた男は過去に銀行強盗を起こし、指名手配されている男だったのだ。
しかしそれを知っているのは塩崎と、塩崎の話しを聞いた由紀子しかいない。
事件の時効が迫るなか、由紀子は塩崎の言葉を借りながら刑事たちに事件の証拠を話し始める。
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