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「いってらっしゃい、春明」
「はい、行って参ります、師匠」
微笑む師匠に、何となく気恥ずかしさが込み上げて、固い物言いになってしまった。
少し緊張しているのかもしれない。
俺は、無事に高校に合格した。
今日は入寮の日だ。試験は学校ではなく、妙にだだっ広い建物で受けたので、初めて校舎を見られるという事だ。ちなみに、入学式は明後日にあるらしい。
「楽しめよ」
俺の緊張に気付いてか、師匠が頭をぽん、と叩いた。
「…うん」
頷くと、頭に載った手が撫でるように後頭部へと滑り、一つに括った髪をなぞる。髪が長いと目立つかなと思ったが、おいそれと切れるものでもないので、師匠から貰った紐で結局一つにまとめた。
師匠と同じ髪型で、ちょっと嬉しい。
「ほら、お前達も挨拶しろ」
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