序章

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「そこの学校、いわゆる名門でな。名家の子息が軒並み揃っているんだ」 「ああ」 なるほど、それで。のちのちの仕事のためにつながりを保つということか。 「まあ、それは二の次でいい。取り敢えず友達でも作って勉強する気があるかってことなんだが」 「行きます」 「返事早いな…じゃあ、試験頑張れよ。」 少々食いぎみに頷くと、師匠は苦笑した。もしかしたら、ご褒美なのかもしれない。学校という所に前から興味があったから。 「あ、師匠」 「ん?」 話は終いと俺の自室から出て行く師匠の背中に声を掛ける。 これだけは言っておきたい。 「友達はいるよ?」 「…人じゃないだろ」 「む」 そうだけれど。
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