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“…その前に、試験とかいうやつをどうにかしなきゃならないんじゃねえか?”
「う、ん。頑張るつもり」
するり、と足元に現れたモノの言葉に顔が引き攣る。学校には行っていないけど、勉強はしてきた。他の学生さんと同程度の知識はあるはず。…おそらく。
「ええ!ちょっと銀沙、止めないの?」
今しがた現れ、俺の脚にしなやかな身体を擦り寄せる白銀の狼は非難されても知らん顔だ。
“だってよ、こんな嬉しそうなカオされちゃあな。
それにどっちみちオレは春明から離れられねえし、離れる気もねえ。ついてって守りゃいい”
「ありがと」
身体を押し付けてくる狼─銀沙の首のあたりの毛を梳く。まだ成獣一歩手前の柔らかい毛並みの感触が手に伝わる。この姿が他の人にはみえていないのは、信じられない。
─しゃらん
「じゃあさ、じゃあさっ!」
「わっ、と」
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