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小さな鈴の音と共に、我慢出来なくなって隅っこの棚から飛び出て来たモノを慌てて掌で受け止める。
「危ないでしょ、どこかにぶつかったらどうするの」
肝が冷える。手の中にいる象牙細工の根付を叱った。
「ごめんなさい…」
すぐにしゅんと尾羽を垂らす。鈴を羽で包むように抱く雀の意匠のこの子は付喪神だ。名前はスズ。付喪神になる程大事にされていただけあって、精巧な作りで、本当に生きている雀と大きさだけしか違わないように見える。
“オメーが春明に心配されちゃあ、意味ねえだろうが”
「うるさいっ!」
呆れてのぞき込んでくる銀沙にちりんちりん、と鈴を鳴らしてスズが噛み付く。少なくとも100歳は超えてる筈なのに、どうにも言動が幼い。
「銀沙だけズルイっ!」
「でも」
「ぼくもついてくっ!」
「え」
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