2 毛玉

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「確かに。書記ワンコ総受けだったりしないかなあ。転校生に引っ掻き回されるうち自覚する恋心…」 嗚呼、妄想が広がる。 「でも、ウォッチングったってどうするの。巻き込まれ覚悟で転校生に近づいてもあの調子じゃ接触は難しいだろうし…多分生徒会室に引きこもってるよ」 「日常イチャイチャは広瀬の言う通り厳しそうだが…イベントで引きずり出されれば話は別だ」 「イベントって…あ!」 あの王道の。 「そう、一週間後にある新入生親睦会。あれは生徒会は参加必須だ。絶対に何かが起こる」 引き締まった顔で超カッコよく断言する金田。言ってる内容は腐敗物だけど。人って見た目じゃわからないもんだ。 さあて、何が起こるかな。口元が緩んで仕方ない。 楽しみだ。 「そういえば、さ」 「何だ?」 「転校生君のお名前、なんだろうね」 「さあ?」 冷たいなあ、金田。
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