第23章 闇雲に彼女を探して

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第23章 闇雲に彼女を探して

そんなわけで、俺は事態の深刻さに気づくのが遅れた。 つまりはもともと眞名実とは連絡が取れない状況が当たり前になっていたわけだから。時折様子を見るように送るLINEが既読になることで、あいつが元気で無事に暮らしてることの証拠みたいに受け取ってた。返信がこないのはもう当たり前。特に期待はしていない。 それより、しばらくの間未読の状態が続いたあとに不意に全ての送信が既読になった時は滅茶苦茶嬉しかったから。いつかブロックされちゃうんじゃないかとずっと冷や冷やしてた。それくらいなら返事がないことくらい何ほどでもない。 それよりその後も送った文にきちんと既読がつき続けてることが大事。このメッセージをあいつが読んでるんだ、俺のことを心の底から本当に拒絶してるわけじゃない。そう思ったら張り合いが違う。俺は研究と生活とバイトの合間にせっせと独り言めいた眞名実への短いメッセージ(あまり長いと引かれそう)を送信し続けていた。 『最近、眞名実と会ってる?最後に会ったのっていつ頃かな。元気にしてるなら別にいいんだけど』     
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