第23章 闇雲に彼女を探して

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似鳥からそんな連絡が入ったのは微かに春の気配を感じ始めた季節あたりだったかも。何だろう。その文面の気がかりそうな様子に俺は首を捻った。 今大丈夫かどうかを確認してから通話に切り替える。 「どういうこと?何か、変な反応でもあったのか。それとも例の三人組絡み?」 似鳥はスマホの向こう側でなるべく何でもなさそうな落ち着いた声を出そうと努めていた。 『ああ、それも中途半端な状態で終わってたけど、確認。なんせ向こうから全然何の連絡もないもんだから…。まあ、問題があったら知らせてくれればいいと思ってたし。ただ中、高と同じ学校で通ってたってだけで顔見知りでもないのにそれ以上探れとか。こっちも強く押せないしね、なんの義理もない相手に。…いや、単にさ。久しぶりにどうしてるかな、時間があったらたまにはご飯でも食べようか?って誘おうと思って。その三人の話も直接訊けるかもだしね。そう思ってLINEしたんだけど全然返信がないんだ。あの子にしちゃ珍しいな、いつも速攻で返信くれるのにと思って。…何日かにかけて数回、送ってみたけど。うんともすんとも反応がないんだよ。身体の調子が悪いとかだったらどうしようと思って』 「そうなんだ?」     
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