第24章 俺たちは繋がってる

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そして表面上、平穏な日々がしばらくの間続いた。 似鳥はわざわざ、眞名実に神野くんもらっていい?とLINEで尋ねたら絶対駄目、と返されたと知らせてきて俺をすっかり凹ませた。何でも幸せになってほしい気持ちに嘘はないが自分の友達とは嫌、なんだそうで。屁理屈ってもんだろ。 そんなことをあえて神野に知らせる義理はない。俺は肩をすぼめてその情報を頭の隅っこに押しやった。 神野とは時々連絡を取り合う仲が続いていた。他の男連中、高松と上林には眞名実の無事は確認できたことをちゃんと知らせたという。 高校の先生を通して家族と連絡が取れて、きちんと別の場所で働いてるのを確かめられたこと。今までの自分ときっちり切り替えて自活できるようにしたいから知り合いの誰とも連絡を取るつもりはないし居場所も教えない、それぞれ自分のことは忘れて幸せになってほしいと言っていたと教えると、彼らは 「そんな風に割り切れたら…、苦労なんかないんだよ」 と絶句していたという。まあ、そうなんだけど。 もともと不自然な、無理筋な関係だったわけだから。お互いの傷を舐め合うと言ったら言葉悪いけど。     
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