愛を奏でて

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「アヤメってどの花?」 「本当に花に無頓着だよねー。今から見に行く?綺麗だよ」 「うん。行こうかな」 少しだけ乗り気な表情を見せた悠翔の腕を引き、舞花は庭へ向かった。 「これがアヤメ。綺麗でしょ」 「うん。まぁ、綺麗だね」 「感情こもってないなー」 舞花が呆れたように笑うと、悠翔もそれに答えるように笑顔を向けた。 「悠翔さま!!悠翔さま!!!」 「温子さん?どうしたの?」 「悠翔さま。これ……」 差し出された封書の裏を見つめ、悠翔の手は止まった。 「誰から?」 舞花の言葉に悠翔は少し間を置いて 「母さんからだ」 と答えた。
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