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「ドレス、汚れちゃうよ」
思わぬ声に舞花はキョロキョロと周りを見渡した。
「……本山くん」
「大胆なことするよね。高野さんって。後先考えないって言うかさ」
変わらずへたりこんでいる舞花の腕を引き、立ち上がらせると、悠翔は軽くドレスのほこりを払うような仕草を見せた。
「見に来てくれてたの?」
「そりゃーね。一応、俺の曲なわけだし……」
うつむきながらそう言った悠翔の顔がほんのり赤いような気がした。
「ありがとう。本山くんの曲のおかげで最後までやり切れた」
「あの曲は高野さんがいたからできた曲だから」
舞花はその言葉を聞いた瞬間、あの曲を初めて聞いた日のことを思い出し、頬が熱くなるのを感じた。
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