chapter 2.鳥籠の小鳥は

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 ふふ。と馬鹿にするような笑みを浮かべるエミリーから視線を外し、このままだと本当に自分がキレそうなので、誤魔化す為にそのまま歩きだす。 「そういえば、昨日の怪我は治ったの?」  隣に並んだエミリーが切り揃えられた金髪のポニーテールを揺らしながら訊いてくる。 「朝起きたらほとんど治ってた。多少めまいがするが、これは多分貧血だな。さすがに血はまだ戻らないらしい」 「あの傷を一晩でとかどうなってんのよあんたの体」 「さぁな」  呆れたように呟くエミリーにミーリーも同意する。 「また今日も風紀委員長に呼ばれるんじゃない?なのに学校に来るなんて馬鹿としか思えないわ。今度はどんな重傷を負ったとしても施術はしないわよ?」 「分かってる、分かってるて」  ミーリーは手をひらひらと振り、苦笑する。 「まぁ、私もあのやり方は気に入らないけど…。あんたみたいに正面切って殺るのは愚の骨頂ね」 「──悪かったな…。オレは魔法はほとんど使えないんだよ」  やばい。少し収まってたはずの怒りがふつふつと沸き上がってくる。だが、エミリーに下手に突っ込めば魔法で返り討ちにされるだろう。 「───チッ」  苦々しげな舌打ちをすると歩調を早める。と言ってもエミリーは足が長いからか苦もなく隣に直ぐに追い付く。     
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