再来週までの約束

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私、今日、図書館に行った。 二日遅れで借りてた本とCDを返した。次は絶対に借りないって意気込みながら。 死ぬ時はどうにも迷惑が掛かるものだろうけど、それを軽減させたいというのが人間の性だろう。図書館に行って本を借りて二週間後に返す、というのは私にとっては生きる綱であった。再来週までなんとか生きてます、そして自分の足で返しに生きます。 でも、なんだか、もう、辛かった。 希望の全部を試して、幾度となく襲って来る絶望を踏み潰して、また希望を試して。 でも、最後の砦ももう、希望ではないことを知ってしまった。 私は生きるのが本当に嫌になった。本当に本当に、嫌になった。 今日、図書館に行って、二日遅れの返却を受付の人に怒られてたらその場でカウンターのハサミで首を掻っ切っただろう。今日、図書館に行って、借りずにその場で読もうとしていた本が誰かに借りられてたら出口に向かって走り海に飛び込んだろう。今日、図書館に行って、気になってとった本の一つ一つが、つまらなかったら、再来週の約束をしなかっただろう。 今、机の上に大量に置かれた本を、コタツで読む。一人ぼっちの部屋がひとりぼっちじゃなくなる気がした。本の作者と共に、生きている、そんな感覚になる。 死への妄想が、少しずつ溶けていったんだ。
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