第1話 子沢山村

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信寧王は、書類を机に上に置いた。 「分かった。青蘭の元へ行く。」 「あっ、いえ。それは……」 それも止めようとする忠仁。 「その……2日続けて、枕を共にするのは……」 続けてため息をつく信寧王。 「心配せずともよい。青蘭とは、枕を交わさない。」 「失礼しました。」 顔を両手で覆い、後ろに下がる忠仁。 信寧王の第2妃・青蘭は、元は緊張状態にあった隣国の姫だった。 ふとしたきっかけに、隣国と争いになり、勝利した信寧王。 落ち掛けている敵の宮殿の中で、信寧王は青蘭に一目惚れしたのだ。 半ば強引に連れて来た事を、青蘭は敵に凌辱される為と、勘違いしてかなかなか、心を開いてはくれなかった。 それでも、信寧王はいつかは、自分の事を見てくれると、尽くしてきたが、夜を共にする時は、人形を抱いているようで、だんだんと期待も薄れていった。 たまに青蘭の元へ訪れるのは、やはり一目で心落ちた女に、会う為だけだった。
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