5人が本棚に入れています
本棚に追加
コンビニ店長って、大変ですか?
夜の20時以降からが本番だと、光太郎は思っていた。どういう地理的条件なのか、20時から日付が変わって翌3時くらいまでの客足はほとんど変わらない。それから2時間くらい間が空いて、朝5時くらいから客足が戻りだす。目の回るような忙しさはないが、休憩する暇もなかなか見つけられない。それが難点だった。
「この変にマックってありますか?」
夜も深まってきた午後11時ごろ、たまたま店の外に出てみたら、上下灰色のスウェット姿の女性に声をかけられた。マックというのは、おそらくかの有名なハンバーガーショップのマクドナルド様のことだろう。最も近いところで、光太郎の任されている店舗から、1キロ以上離れたショッピングモールにある店しか思いつかなかった。
「この道まっすぐ行った店舗のショッピングモールの中にあったと思いますよ。ただ、今だと開いているかな。もっとまっすぐ行くと、バラ市に出るでしょう。600号線の脇にドライブスルー付きのところがあったと思います。」
光太郎は白い息を吐きながら、なるべく丁寧に説明したつもりだった。もっと気の利いた人間だったら、すぐにスマホを取り出して正確な道順まで教えてあげただろうが。
最初のコメントを投稿しよう!