☆いや、そうはならんやろ☆

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燐「……綺麗だな…」 海「あの人の普段の動きも踊ってるかのような綺麗な動作だからなぁ。普段はふんぞり返って偉そうにしてるイメージ強いけどさ」 燐「それはオレも思う」 けど、おそらくじいちゃんはそう見せていた。 その方が動きやすいし、残業するのに残りやすいから。 何より周りに舐められないように、親父を優秀な人間に仕立てる為に…そして、湊さんから少しでも目を逸らさせる為。 「なっ!前にしか進めないハズじゃ!!」 「オレは氷と相性がいいんだわ。この世界の誰よりも…過去の栄光ではあるものの、未だにオレの記録を抜ける人居ないからな」 フィギュアやってたと知ってスグに調べたけど、じいちゃんの大会の出場回数や優勝回数、記録等は未だに誰にも抜かれてない。誰も辿り着けない境地のものだった。 「飛んだところで高さは限られてる!コレを避けられたらお前は本物だ!!!」 「……三回転半の高さじゃ足りなそうだな…ならば…スピードを出して…湊の脚力なら余裕だろ」 「貫け!!!」 「さぁ、出たとこ勝負といこうか!!」 「クスッ…相手の特殊な状態を解除出来るんだよ」 助走つけてる段階でじいちゃんと湊さんは逆方向に飛ばされた。 「!?!??」 「!?!??」 「二人で最強でも一人なら…」 片方には空から落雷、片方には空まで火柱。 じいちゃんは足に電気を纏い、湊さんは足と手に火を纏っている。 「コレで静電気とかで氷上滑れるかな?」 「氷なんて熱で溶かしゃーいいだろ」 「なっ!!!」 「さぁーて、行くぞ!!」 「変身解けてなんで…」 「脳内がとてもクリアだ!!!」 「思ったように身体が動く!!!」 どちらもかなり生き生きとしている。 うーん。辰弥さん居るし…まぁ、どうにかはなるかな。 「……二人が一つになった事によって劣化してたまであるからなぁ。何逃げようとしてんだ?沙羅」 「ばーれーたーかー」 「つうかお前も早く自分の身体に戻れよ!本当に戻れなくなっちまうぞ!!」 「戻ろうとしたのに引き止めたの辰弥さんですけど?」 「まぁいい。お前は何も気にするな」 「いや、流石に気にしてるし、無かったことにしようとはしてないですよ?割と潔いいですからね?僕」 「自分の命まで投げ捨てるのはダメだ」 「…………」 「そのセリフそのまま返すとでも言いたそうな目をしてるな?」 「そこはお互い様ですからね」 「オレはお前に投資したんだよ。いや、借りを返したが正しいかな?」 「過払い金返還請求出しても遅いですからね?」 「オレの命をどう使おうがそれはオレの自由だろ?」 あれ?そういえば…双樹さんは??? 知らない間に居なくなってる?? 「けど、僕が死ぬより…貴方の死の方が悲しむ人は多いですから」 「それは当たり前だろ。お前より長くオレは生きてたんだから」 「……っ!」 「オレは…見えていたのに見て見ぬふりして何度も後悔している。今回もそうだった…お前を死なせたらオレは死んでも死にきれない程に後悔しただろう」 ……今のは紛れもない辰弥さんの本心だろうな。
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