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そして3階のフロア。
ここでは奇怪な笑い声が響き渡っていた。
笑い声を聞いて、レティシアはそれが誰だかすぐにわかった。
「……殺人ピエロ、あいつもいるの?」
レティシアは殺人ピエロとも浅からぬ因縁がある。
かつて彼に命を狙われていたのだ。
道化師の衣装と化粧の男はバク転をしながら、すぐにレティシアの前に現われた。
「ひゃははははっ、ひゃはははっ、レディ・ルパン、おひさしぶり!」
「……」
「そのしかめっ面は何? もっと笑いなよ! ボクの顔、おかしくない? ボクの動き、滑稽だろう? 笑わないと殺しちゃうよ」
「わたしの命を狙ってたヤツに笑えるわけないでしょう?」
「そんなこともあったねえ。でも、今のキミとボクは仲良しだ! いっしょに遊ぼう! いっしょに輪投げしよう!」
こう言うと、殺人ピエロは道化服から輪のついたロープを取り出し、レティシアに投げつけてきた。
輪が首にハマれば、そのまま締まって窒息死するという仕掛けだ。
レティシアは後退して避ける。
「な~んだ、つまんない。いっしょに遊んでくれないんだ? ひゃははははっ、ひゃはははっ」
殺人ピエロはそのままバク転しながらレティシアのもとを離れていった。
横にいた詐欺師のディーノは半ばあきれて言う。
「さすがレディ・ルパン、知り合いが多いんだな?」
「あまり会いたくないやつらばかりなんだけど」
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