かなちゃん

2/7
前へ
/19ページ
次へ
あのね、たっくんとはお(うち)が近くなの。 なんでも、たっくんとは親戚なんだって。 私のお父さんのお兄ちゃんが、たっくんのお祖父ちゃんなんだって。 何だかよく分からないけど、たっくんとは幼稚園も一緒だから、いつも同じバスで行くんだ。 席も隣に座って、色々お話するの。 クラスも一緒だし、みんなでいっぱい遊ぶの。 そして、一緒にバスで帰ったら、直ぐにたっくんと二人で遊ぶんだ。 たっくんてね、何でも知ってるの! たっくん、花の名前や鳥の名前いっぱい知ってるんだ。 お家の周りは、田んぼや畑ばっかりだから、いつも畦道歩いては、お花の名前教えてくれるの。 でも、わたしは直ぐに忘れちゃうんだけどね。 幼稚園卒園しても、たっくんとは同じ小学校。 小学校は少し遠いんだけど、毎日手を繋いで行くんだ。 いつも学校迄の畦道や川原に咲く花見つけては 「かなちゃん! これ、カラスノエンドウって言うんだ 今は赤紫の花が咲いてるけど、えんどう豆みたいな小さな豆が出来るんだよ でも、からすにはエンドウ豆より大きいよね 両端を切って、豆を出したら笛になるんだって 豆がなったら、笛作ろうな!」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加