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そんなある日。
中川が行方不明になった。
相村に聞いても原因不明の一点張り。
少なくとも、いきなり引っ越したとか。
そんな中、今度は寺内が来なくなった。
知り合いの津積曰く、昨日は普通に学校に通っていたが、帰りは一切会ってないらしい。
そして、何だかんだでバレンタインまで1週間。
尾潟がバイト先を後にしようとした時だった。
いきなりバイトの同僚である女・黒瀬がやってきた。
黒瀬「尾潟さん、コレ…。」
取り出したのは、プレゼントの箱。
尾潟「俺、11月生まれなんだけど。」
黒瀬「でも今じゃないとダメなんです。正社員になる準備もあって、10日で辞めることになったんです。ですが、ずっと前から好きだったこと、それだけはわかってもらいたかったんです。」
尾潟「無理だな。受け取らない。」
黒瀬「どうしてですか?」
尾潟「馬鹿馬鹿しいにも程がある。じゃ。」
尾潟がプレゼントを突き返すと、黒瀬は唇を噛んだ。
そして。
黒瀬「尾潟さん、何で否定的になるんですか?」
尾潟「は?」
黒瀬「尾潟さんって、イケメンだし仕事も出来るし頭もいい。本当は好かれてもおかしくないのに、何で冷たく断るんですか!?」
尾潟「じゃあハッキリと言わせてもらう!俺は恋人の概念とかバレンタインの概念とか大嫌いなんだよ!ウゼェんだよ!んなことわかれ!」
そして尾潟は早足で立ち去った。
黒瀬「だからいけないのに。」
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