バレンタイン大好き/大嫌い!!⑤『間違えられたチョコ』

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土曜の放課後靴箱からニューバランスのスニーカーを取り出したら中にチョコが入っていた。僕は自分宛のバレンタインのチョコだと思って学校指定の鞄に入れて家に持ち帰った。一体誰だろう。因みに僕の彼女は他校の生徒なので普通に考えれば僕の隠れファンだろう。悪くない気分だ。家に着くと自分の部屋に入り中から鍵を掛けた。いきなりドアを開けて入って来た妹に見付かったら事だ。机に向かい慎重に箱を開ける。海外ブランドのチョコの上品な香りが広がる。僕はその中の1個を口に放り込んだ。旨い、美味過ぎる。だが次の瞬間、僕は或る事実に気付いて愕然とした。今日はまだ1月13日ではないか。そしてもう一つ。僕の彼女は同じクラスの生徒の元恋人だったのだ。意識が遠のく中で、スイーツ作りが得意なロリ顔巨乳の女の子の恨みは怖いなと思った。僕はこれが幸いなことに小説だったのを思い出した。死ぬ前にジャンル設定を《コメディ》から《ミステリー》に変更出来ると良いのだが…
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