ガソスタらぶ

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 先日から俺はわけのわからないドタバタに巻き込まれている。  始まりは俺のバイト先に新人が入ったこと。こいつが出会って早々に俺を女子と間違うという実に失礼なヤツで。  名前は剛田正広。大学も同じK大の後輩らしい。  この年になってまだ女の子に間違われるだなんて。それにしたって、普通は誤解だと分かればそれで終わり。なのに、剛田君は男だと分かったうえで好きだのなんだの告ってきて、あり得ないことにキスまでしてきた。本当にビックリだ。  上京してはや三年。都会の人間はいろいろぶっ飛んでるんだろうと最初は想像してたけど、こんなに驚いたのは初めてだ。それにこんなに手に負えなくなる事態も初めて。  困り果てた俺は、アパートへ戻ってからベッドの中で剛田君対策を考えた。  そして、「付き合ってる人はいますか?」と聞いてきた剛田君の言葉を思い出し、鍵はこれだと確信を得た。つまり、俺に付き合ってる相手がいれば剛田君は諦めるしかないってことだ。  でも、残念ながら俺には恋人がいない。もちろん女友達もいない。  合コンとかも……みんなは行くみたいだけど、そういうノリについていける自信が無い俺は参加したことが一度も無い。知らない男女で飲み会とか……全くの未知の世界で正直おっかない。  そもそも知らない人と過ごすだなんて気を使うばっかりでしんどいと思う。  だから、即席で恋人を作るなんて無理だと思う。剛田君みたいに見た目の好みだけでアタックしたり、付き合うなんて考えられない。  そもそも、なんで俺が剛田君のストライクゾーンなのか謎すぎる。聞いてもわからなかったからそこは考えない事にしよう。
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