Ｌife・Ｖiew （ライフ・ビュー）

【登場人物】
ライ（２３）
記憶をなくした青年。青山に拾われ、レンタル彼氏の会社で働くようになる。人の気持ちに寄り添う優しい性格。しかしどこか影がある。

青山（４０）
レンタル彼氏会社の経営者。一流企業のエリート社員だったが、愛した女性に死なれてしまった過去があり、以来、人のためになる仕事をしたいと、レンタル彼氏の会社を設立。

オワリ（２３）
謎の女。実は、ライの恋人。今までライとともに９９９回自殺している。この世に絶望している。

【あらすじ】
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
男は自分が何者なのかまったく思い出せない。手がかりはポケットに入っていた１枚のメモ。そこには、「ＬＩＦＥ！　あきらめるな！」とだけ書かれていた。
やがて、男は青山という男性と知り合う。青山はレンタル彼氏の会社を経営していた。
男はメモに書かれていたＬＩＦＥという文字から、『ライ』という名前になり、記憶が戻るまでレンタル彼氏として働くことになった。

会社には個性豊かな男たちが集まっていた。ライは仕事を通し、様々な人々と出会っていく。恋人がほしい女性もいれば、息子の父親代わりになってほしい女性もいる。ライは彼女たちや、会社の仲間たちとの交流を通して本当の幸せとは何かを学んでいく。

そんなある日。ライのもとにひとりの女性がやってきた。
「やっと見つけた。さあ、今度も一緒に死にましょう」
彼女は『オワリ』と名乗り、ライの恋人だったのだという。
やがて、ライは自分が何者だったのか思い出した。
ライはオワリとともに、今まで何百回と自殺を繰り返していたのだ。
ライはそのたびに、自殺をしたビルの屋外階段の踊り場に戻り、記憶がリセットされていた。オワリも同様である。そしてどちらかが記憶が戻るたびに、再び会い、そして自殺していたのだ。
「あと1回で本当に死ねるはずよ」
オワリは自殺を繰り返すなかで、１０００回死ねば、本当に死ねることに気づいた。
次がその１０００回目だったのだ。
瞬間、ライの記憶の中に９９８回分の人生が蘇る。それは辛く、苦しいものだった。
だが、ハッとする。今回の人生だけは、幸せだったのだ。すべてはメモのおかげだった。ライはそのメモが９９８回目に死んだ自分が死の直前に書き残したものだと知る。
俺は生きる。絶対に諦めない！
ライはオワリをも救おうとする。果たして、ライは幸せな人生を手に入れることができるのか？