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にぶい俺でもなんとなくわかる。
これはまさか「俺の後宮に来い」っていう昼ドラ的なやつでは!
待て待て…確かにエルフは人間に比べて美人が多いとはいえ、
俺はエルフの中ではそんな美人な方ではない。
エルフの中でも美人と普通とあって、俺はどちらかというと
ガキっぽくて美人の類には入れてもらえない枠だ。
なにより、エルフの美人枠は俺みたいな成人したばかりではなく、30代くらいから
の大人の色気を放ち始めるくらいの人が人間には受けがいい。
まさか…この王様…ショタコンでは…
あの使用人の獣人の女の子も随分と若かったしそういう趣味を持っているのかも…
「えっと…王様って…小さい子が好きなんですか…?」
恐る恐る聞いてみる。
と、王様は思いがけない質問にそれはもう大爆笑だった。
「さすが…ッくく、田舎から出てきただけあるなぁッハハハハ!」
「な!なんですか!…そりゃ俺は世間知らずの田舎の人間ですけど!
でも、俺エルフの中では美人じゃないし!」
「いやいや、そこじゃなくて…普通ならそういうことを質問することが
失礼だと思わないのかい?ましてやこの国の王に…」
含みのある笑みを見せる王様に、やってしまったのだと気づき体が強張る。
「王である私に無礼を働いたのだから、トールは何か償わなければならないなぁ」
「え…あの…ご…ごめんなさい…」
切腹とか?首切られちゃうとか???
はたまた奴隷で一生過ごすとか…??
何をされるのか想像して、サァ…と青ざめる。
その様子に再び王様は笑い始め、ようやく自分がからかわれているのだということに気づいた。
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