四人目

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「ん?」 パッチリと目が覚めて体を起こすと、そこは僕の家じゃなくて学校の教室だった。 窓の月明かりのみで薄暗く、静けさが辺りに充満し、人気が全く感じられなかった。 なによりも一番の違和感は、僕は教室のど真ん中でこたつに入っていることだ。 暖かい。 いや、そうじゃなくて。 こたつには女友達の恵と、男友達の快斗が体半分を埋めて上半身は投げ出されていた。 二人とも寝ている。 こんな夜中に。 学校で。 ここで僕はようやく思い出した。 僕達は机や椅子を後ろに移動させ、この空き教室で学校の七不思議をこたつで暖まりながら話していたのだ。 なんだか面白そうだから、という理由で。 いや、そんな理由だったか。 でも今は外も中も真っ暗で、警備員や教師は誰も今まで僕たちに気づかなかったのかと思ったところで。 「何してんの? こっちだよ」 と、教室のドアから声がした。 正確にはドアのすぐそばに立つ男子生徒の口から。
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