9、まだ見ぬ君へ

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9、まだ見ぬ君へ

君とこの世界で出会えることを願って、名前を呼ぼう。 君が生まれてくる世界は、君の誕生を祝福してくれるだろう。 そして、愛を教えてくれるだろう。 何かに失望して、未来に絶望し、生を感じなくなる日が訪れるだろう。 でも、君は間違いなく俺達の愛によって生まれたんだ。 いつかきっと君は気がつく。命の重みと愛の深さに。 君が寂しくなったら、抱きしめてあげよう。 辛いことがあったら、聞いてあげよう。 死は誰にでも平等に訪れる。だから、いつかはひとりになる。 でも、忘れないで欲しい。 俺達が傍にいたということを。 そして今日も俺は、死に向かって歩いていく。
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